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 愛知県館出展内容の概略 <瀬戸愛知県館>
瀬戸愛知県館は、愛知万博の瀬戸会場にあります。オオタカやムササビ、ホトケドジョウなどの希少生物を保護するためにここを主会場とすることを断念した経緯を踏まえて、自然への配慮を第一に建設したパビリオンです。野鳥の営巣の障害とならぬようメガホンなどを使った案内などは厳禁し、愛知万博では最もすがすがしく自然の心地よさを味わっていただける場所に仕上げることができました。
■写真(クリックで拡大)/瀬戸愛知県館:万博後、瀬戸愛知県館の建物の下部は「海上の森」を学ぶための拠点として残し、上部は解体し下山小学校の新築工事にリサイクル利用する設計を行っています。設計は第一工房の柳澤力さんが担当しましたが、柳澤さんは設計のみならず野生生物への配慮など、瀬戸会場全体の工事に目を光らせ続けてくれました。 撮影:山根一眞
 森の書斎
瀬戸愛知県館のエントランスには、愛知県の絶滅に瀕する生物を記した「愛知県版レッドデータブック」に記載されている600種類あまりの動植物を展示しています。愛知全市町村巡礼訪問で訪ねた愛知県西尾市で、岩瀬文庫が所蔵する『本草図説』(高木春山著、195巻からなる江戸時代の大図説百科事典)に愛知県の絶滅動物、希少生物が描かれていることを知りました。そこで、岩瀬文庫の御協力を得て、絶滅の危機に瀕する動物を選び出して複写し、展示構成したのが「森の書斎」です。
■写真(クリックで拡大)/森の書斎:『本草図説』には瀬戸愛知県館でオリジナ剥製標本も展示している、愛知県で絶滅したニホンオオカミ、ニホンアシカ、ニホンカワウソの絵も描かれています。 撮影:山根事務所
http://www.city.nishio.aichi.jp/kaforuda/40iwase/collection/honzou/honzouzusetu.html
 森の劇場
「海上の森」は、なぜ当初の万博計画で揺れたのか。主会場は長久手の青少年公園に移りましたが、この自然保護と開発の対立をどう解決すべきかという、21世紀環境時代に最も重要な答は、出ていませんでした。そこでまず「海上の森」の自然や生物はどのような世界なのかを徹底的にリアルにとらえることを、まず考えました。写真家の池本喜巳さん、生物映像カメラマンの栗林慧さん、サウンドプロデューサーの井出祐昭さん、音楽家の一色このみさんなど、日本最高の創作者の皆さんたちは、激しい落雷や台風、猛暑や厳寒、雪などにもめげず「海上の森」の中で約2年にわたり、その作業を続けてくれました。また、瀬戸愛知県館が行った空前の環境工事そのものも、出展のテーマにしています。
■写真(クリックで拡大)/コナラを運ぶトレーラー:愛知県館の予定地ではない場所で万博工事のために伐採の運命にあるコナラが木のあることを知り、瀬戸愛知県館のパビリオン内へ移植して残すことを決意、日本では経験したことのない大移動作業を行いました。
 森の劇場 -- 世界初の映像サウンド空間
2年にわたり収集した素材をもとに制作した映像は、森の生命は何を意味しているのかを問いかけています。「森の劇場」内には、全座席の下や壁面などに100台以上のスピーカーを設置、世界初のサラウンド空間となりました。上映映像は、映像、写真、サウンドなどすべて「海上の森」の実際の素材で構成し、優れた芸術家の共同で、愛知万博にとっての自然環境とは何か、野生生物とどう向き合うかを問いかける作品が完成、新しい「ノンフィクション芸術」が誕生しました。サウンド素材数だけでも300以上、そられらの素材は100以上のチャンネルに振り分けられ、膨大な数のQuickTime映像や写真とともにリアルタイムで処理を行いながら、劇場内に送り出しています。この膨大なリアルタイム処理は、アップル社の「パワーマックG5」3台が担っており、ここは世界最高の「マック・シアター」でもあります。
■写真(クリックで拡大)/森の劇場のエピローグ:映像には特殊録音による東京少年少女合唱隊(指揮・長谷川久恵さん)やソプラノの盛かおるさんの歌声、一色このみさんのハープ演奏が溶け合い、エピローグでは森の妖精姿のソプラノ歌手たちのライブの歌声も加わります。 撮影:山根一眞
 森の回廊
森の劇場を出ると移植したコナラの木を見ることができます。瀬戸愛知県館のスタッフは、このコナラの木の命を維持することが大事な仕事になっています。壁面は、廃素材のリサイクル利用で作った昆虫などの生物模型で埋め尽くしました。愛知県の小中学生による「県民参加」を考え実現したもので、これらの模型は1万人の子供たちが作ってくれたものです。リサイクルの大事さ、小さな虫の精巧さ、そして万博参加という一石三鳥の出展は、1つの学校の作品がハチの巣型のケース1つに収めています。
■写真(クリックで拡大)/森の回廊:コナラを何とか根付かせ生かしたいという作業や管理は樹木医・弘三さんの厳しい指導で進めています。リサイクル素材による昆虫工作は近藤芳弘さんの指導で行われました。 撮影:山根一眞
 森の繭とシーボルト絶滅動物標本
森の回廊の下に見える巨大な「森の繭」(太陽テント製作)空気の力でゆっくりと呼吸をしています。それは森の命を象徴していますが、その中には愛知県や日本では残念ながらすでに絶命してしまったか、ほぼ絶滅が確実視されている3種の動物標本、ニホンオオカミ、ニホンアシカ、ニホンカワウソを展示しています。いずれも幕末の出島の医師、シーボルトが日本で得て、現在オランダのライデン国立自然史博物館が収蔵している標本を、同博物館の協力を得て里帰り出展が実現しました。今、世界では猛然たる速度で、野生動物が絶滅しています。やがては、このケースの中に人類も並ぶことになるかもしれません。愛知万博計画が突きつけた課題を真摯に考えていただくため、3体の絶滅動物の無言の語りかけを瀬戸愛知県館のしめくくりとしたのです。
■写真(クリックで拡大)/森の繭の三体の動物:3体の標本はライデン国立民族博物館の日本美術部門学芸員であるマティン・フォラーさんの大変な尽力によって出展が実現しました。また、標本の日本輸送にはライデン国立自然史博物館の哺乳動物部門学芸員であるクリス・スミーンクさんが随行し、野生動物の保護を訴え大きなニュースとなりました。 撮影:山根一眞
 にぎわいの里
環境を考えさまざな環境活動を続けている県民の手で出展しているコーナーが「にぎわいの里」です。「愛知グリーンマップ2005」は、既存の地図にエコの場所を示す新しい地図マークを加えていくもので、来館者の皆さんにそれぞれのお住まいの地域の環境施設などを加えていただいています。来館者の参加によって、世界最大のエコ地図の完成を目指しています。また、県民の手によるエコ絵本の展示やトークなど、来館者の皆さんとの交流が日々、行われています。
■写真(クリックで拡大)/グリーンマップ:グリーンマップはリオの地球サミットを契機にニューヨークの女性環境デザイナーが提唱した市民活動で、瀬戸愛知県館のグリーンマップ作りはその認定を受けています。 撮影:山根一眞
※ 注 ※
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